未来シフト株式会社(代表:鈴木実歩・以下弊社)では、「女性の社会進出が遅れている日本において、精神的かつ経済的に自立した女性を1人でも多く増やす」をミッションに掲げ、事業を展開しております。
弊社ではチャリティー活動の一環として、毎年女性を応援する活動や団体への寄付を続けており、このたび寄付先のひとつである認定NPO法人オリーブの家で理事を務める山本さまと、弊社代表の鈴木が対談させていただきました。
本記事では、その内容をレポートしてお届けいたします。
認定NPO法人「オリーブの家」さまについて
認定NPO法人オリーブの家さま(以下:オリーブの家さま)は、DV被害者の女性と子どもを保護するシェルターを設け、専門家による心のケアを行ったり社会復帰を支援したりしている団体です。
2011年の東日本大震災をきっかけに、貧困に悩む女性や子どもの保護活動を始められた理事の山本さま。2017年に、一時保護ではなく女性や母子が自立するまで支援することを目的に「オリーブの家」を設立されました。
現在は岡山県を中心に、精力的な活動を続けておられます。
◆過去最多・98人の保護と自立を叶えた2021年
まず「2021年はこれまでで一番忙しい年だったものの、大きな成果があげられた一年でした」と山本さまはおっしゃいます。
その成果を表すものとして、シェルターで過去最多・98人(同伴児童を含む)の保護を行い、全員が自立を叶えたという嬉しいご報告がありました。
98人という数は、行政が運営する保護シェルターでもなかなかあり得ない人数とのこと。
利用者が増えた理由は、長年に渡って積み重ねた実績やメディアへの露出効果が大きいと山本さまはおっしゃいます。
中でも、シェルター用の大きな新築一軒家を購入したことが広く報道されたとのこと。
団体の認知度が上がったと共に保護環境が整ったことで、充実した支援ができている状態とのお話でした。
◆子どもたちの学業支援を開始
さらに、保護対象者の同伴児童に対する学習支援を始めたオリーブの家さま。
シェルターの入居者たちは、DV被害から抜け出すために住まいや仕事など全てを失った状態です。そのような状況では、子どもの通学を考える余裕がない方も少なくありません。
オリーブの家さまでは保護期間中に子どもたちの学習が遅れないよう、シェルターに家庭教師を呼んだりスタッフが勉強を見たりしてサポートしておられます。
また金銭的な理由で子どもを塾に通わせられない母子家庭に対し、学習会の開催や家庭教師の派遣なども行っているオリーブの家さま。
ときにはこちらのような、子どもたちが楽しめるイベントも開催しています。
◆居住支援法人としての活動を開始
また保証人を立てられないと賃貸物件の契約は困難なため「シェルター入居者は自立する際に住む場所に困るケースが多い」と山本さまはおっしゃいます。
そういった方々のために、オリーブの家さまでは居住支援法人(※)としての活動も始められました。
住宅セーフティネット法に基づき、居住支援を行う法人として都道府県が指定するもの
出典:岡山県居住支援協議会
具体的には保証人がいなくても借りられる部屋を取り扱う不動産業者と連携し、住まい探しのお手伝いをされています。
こちらの取り組みのおかげで母子ともに安心してシェルターから旅立てるようになり、女性たちの自立が早まっているとのお話でした。
それぞれの立場で「できること」を~意見交換~
続いて山本さまと弊社代表の鈴木実歩(以下:鈴木)が、支援における課題や今後の方向性について意見交換を行いました。
◆法律の整備が大きな課題
まずは鈴木からの「シェルターの利用者は岡山県内の方のみですか?」という質問に対し「県外の方も4割ほどいらっしゃる」と教えてくださった山本さま。
ただ住民票を移すとパートナーに居所を突き止められてしまう恐れがあるため、県外の方へのサポートは特に難しいとのこと。
もちろん住民票の閲覧防止などの対策は講じているものの、保護を必要とする女性の安全を確保するためには法律の整備が必要不可欠です。
さらに親権者(父親)の許可なしには保育園に入れないなど、離婚が成立していない女性の足かせになるような制度も存在します。すると子どもを預ける先がないため、仕事に出られないのが現状。しかし健康で働ける身体である限り、生活保護を受けることもできません。
これらの根本的な問題を解消すべく、現場の声を少しでも多くの方にお届けしたり、地元議員さまや政治団体への提言をしたりと精力的な活動を続けているオリーブの家さま。
その甲斐あって、支援制度全体が抱える課題について各方面に深く受け止めていただいているとのお話でした。
各々が自分の分野でできることを続けていけば、今は山積みの課題も徐々に解消されていくでしょう。
◆女性が活躍できる世の中を目指す
そして、忙しい中でも「皆さまをサポートするためのアイデアは溢れるほどにある」と山本さまはおっしゃいます。
そんな山本さまにモチベーションの源をお聞きしたところ、「保護を必要としている女性は、元々高いポテンシャルを秘めている方ばかり。皆さまの頑張りたいという気持ちを少しでも手助けし、自立のお手伝いをしたい一心です」とお答えくださいました。
また活動を続けて行く中で、世の中にはジェンダーに対する問題(言動や偏見、差別など)が非常に多いと感じている山本さま。
そういった弊害をものともせず、女性たちが元気に活躍し、社会で地位を築いてほしいと切に願う気持ちは弊社の事業方針と一致します。
山本さまの考え方や活動内容に、改めて強い感銘を受けた鈴木から「それぞれの立場でできることを行い、共に状況を改善していきましょう」とお伝えさせていただき、今回の対談は終了しました。
まとめ
オリーブの家の理事である山本さまと弊社代表の鈴木との対談では、共に確固たる使命を掲げて活動を続ける共通の強い想いを感じることができました。
弊社では鈴木が運営する講座の受講費の一部を毎年寄付に充てておりますが、受講生さまの中にはシングルマザーや離婚経験者もおられます。あらゆる困難に立ち向かって頑張るママの姿は、子どもたちの未来を照らすヒカリとなるでしょう。
場所や状況は異なるものの、女性が輝く社会をつくっていく者として、弊社は今後もオリーブの家さまと共に邁進する所存でございます。
認定NPO法人オリーブの家さまの情報はこちら▼